今まで、日本では降圧の目標がゆるかったため、このような結果となってしまいました。血圧が下がり過ぎることの副作用を意識しすぎていたのだと思います。一方で医療費削減のためか、長期処方が規制緩和されてきております。以前は長期で出すと、「患者をみないで処方している」と言われることがありました。長期処方ですと、どうしても安全面から慎重にならざるを得ません。
薬を処方するとき、以下のようなことを考えております。
・遺伝、生活習慣の結果、高血圧という状態が出現します。同じ血圧でもいろいろな状態が存在します。
・状態把握の例
①上の血圧(収縮期血圧といいます)が高いと、動脈硬化が進んでいる(=血管が固い)可能性があります。脱水により、ノルアドレナリンなどのホルモンが分泌され、血管が締まっている可能性があります。
②下の血圧が高い場合、塩分の摂りすぎで、血液の量が多いと考えます。
③脈が速いと、甲状腺の異常などを考えます。
・人体というのは複雑系ですから、1種類の薬よりも、2,3種類の薬を少量ずつ内服する方が副作用を少なく、効果を大きくすることができます。
・合併症にも注意が必要です。高血圧により、心不全になってないか、血管の集合体である腎臓の機能はどうかなどです。高血圧に慣れてしまうと、降圧により腎臓の血流が確保できない場合があります。
・同じ人でも、その時によって状態が異なっていることがあります。その場合少量の内服から始めて反応をみながら調節していくことになります。
療養の一助になれば幸いです。
